理塾では、奈良県の公立中学校で中学三年生になった時に受けさせられる『学力診断テスト』についての研究しています。
奈良県の高校受験は今年度(2026年入学分)から変更になりますが、その前哨戦である『学力診断テスト』の実態について、詳しく解説します。

\奈良県の公立中学校では年間5回ほど学力診断テストを受験します(実際の個票)/
(1)学力診断テストとは
奈良県に限らず、どこの都道府県でも、公立中学校では進路指導をする必要があります。
今の時代、高校受験生は「学習塾に通う」というのがほとんどで、多くの場合は「学習塾で受験した模試結果」を参考に受験指導をしますが、中には「学習塾に通っていない」という高校受験生もいることから、公立中学校でも「模試」のようなテストを実施して、その点数で志望校に合格できるかどうかを判断しています。
そのテストが『学力診断テスト』というわけです。

ちなみに、この『学力診断テスト』は各中学校が手作りしているわけではありません。
模試業者が作成したものを市町村で採択して購入しています。
ここで重要なポイントが二つあります。
一つ目は、模試業者の作成する『学力診断テスト』は、奈良県の入試を念頭に置いたものではない、ということ。
二つ目は、各市町村がバラバラで採択しているのではなく、いくつかの市町村が連携して、同じ『学力診断テスト』を採択している、ということ。
順に、細かく解説しましょう。
(2)学力診断テストは奈良県入試に似ていないので参考にならない
模試業者に「奈良県の公立高校っぽい模試を作って」と依頼すると、当然特別に作成する分の料金がかかります。
ですから費用を抑えるために、奈良県の『学力診断テスト』というのは、全国版の模試を採択しているのが現状です。
ここで、大きな問題が発生します。
それは何かというと、「奈良県の公立高校入試」は、「科目によっては特徴があるが、学力診断テストにはそれが反映されていない」という点です。
具体的には、例えば国語を挙げると、「奈良県の公立高校入試では、150字程度の作文が確実に出る」という分かりやすい特徴があります。
ですから、奈良県の公立高校入試を受験するのであれば、絶対に「作文対策」をやっておかなければならない。

しかし、全国的に見ると「国語で作文を出題する」というのは、それほど多くはありません。
ですので、全国版の模試である『学力診断テスト』では、「国語で作文が出題されない」というケースも結構あります。

\作文が出題されていないうえ(黄色)、奈良県では詩歌はまず出ません(赤色)/
「奈良県入試では作文が確実に出題される」のに、作文が出題されない『学力診断テスト』で点数が良かった悪かったと一喜一憂しても、内容が不一致なので、合否判定の材料にするには、ちょっと不確実性が伴いますよね。
こういう部分は、『学力診断テスト』の大きな問題点です。
また、奈良県の入試は、「奈良県の英語はものすごく簡単」「奈良県の数学は相当難しい」と、科目によって極端な難易度の差が見られます。
全国的に見ても、「奈良県の英語は異様に簡単」であり、「奈良県の数学は異様に難しい」のです。
※畝傍高校の受験者の感覚だと、「英語は50点満点(10割)」でも珍しくはなく、「数学は6~7割」でもよくあることなんです。
ですが、『学力診断テスト』は全国版の模試なので、「英語も普通の難易度」「数学も普通の難易度」なわけです。
科目の難易度が実際のものとは全然違うのに、それで点数が良かった悪かったと一喜一憂しても、あまり参考にならないですよね。
中学校の担任の先生が、いくら熱心に進路指導をしたとしても、根拠となる『学力診断テスト』が「奈良県入試」に似ていないので、あまり参考になりません。
※もちろん、何もしないよりは、ずっとマシです
これは、そういう学力診断テストを採択してしまっている構造や仕組みの問題です。
担任の先生がいくら頑張ったところで、変えることはできません。
全国版の学力診断テストを使用している限りは、仕方のないことなんです。
(3)同じ奈良県でもエリアによって『学力診断テスト』の難易度に大きな差がある
あくまでも理塾の独自調査結果ですが、奈良県の『学力診断テスト』は、以下の四つのエリアに分けられます。
①奈良市
②生駒市
③生駒郡・大和郡山市・天理市
④上記以外

同じエリアであれば、まったく同じ内容の『学力診断テスト』が、まったく同じ日時に実施されます。
各市町村がバラバラに採択して実施しているわけではなく、ある程度の連合体として動いていることがわかります。
問題なのは、「採択している『学力診断テスト』の難易度がエリアによって全然違う」という点です。
最も簡単なのは、「③生駒郡・大和郡山市・天理市」です。
最も難しいのは、「②生駒市」です。
なお、『奈良県で一番賢い公立中学校』は、どこだと思いますか?
それは、2024年度は上中学校(生駒市)で、2023年度は真美ヶ丘中学校(広陵町)です。
年度によって前後するのですが、どちらも奈良教育大学附属中学校よりも平均点が上という、奈良県でも相当な学力を誇る公立中学校です。
※2024年度は、302.5点(奈良教育大附属中学校)に対して、304.9点(上中学校)、295.7点(真美ケ丘中学校)
※2023年度は、299.1点(奈良教育大附属中学校)に対して、286.1点(上中学校)、302.8点(真美ケ丘中学校)
もちろん、逆に『ヤバいくらい学力の低い公立中学校』もあります。
同じ内容の学力診断テストを受けているのに、周囲の中学校より100点近く点数の低い中学校も実際にあります(100点違うと雲泥の差です…)。
ただ、これはここで公表することではないと考えますので、伏せておきます。
(4)受験生にとって最適な模試とは?
このように、事情が分かってくると、自分の学力を正確に測るためには、「自分が受験する高校の内容や難易度に似ている模試」を受験するのが良いことがわかります。
出題傾向や難易度が似ていれば似ているほど、正確に測れることになります。

\どんな模試を受験すればいいのか、理塾がアドバイスしますね/
奈良県公立高校入試にソックリに作られている模試は、『フジイ模試』です。
出題傾向や問題も再現性が非常に高く、前述した「国語の作文」も当然のように毎回出題されますし、「英語が簡単」「数学が難しい」というのもソックリです。

ですから、奈良県の公立高校の志願者は、『フジイ模試』の点数を判断基準にして、志望校の合否判定をするのがベストです。
※公立高校の志願者は、フジイ模試を受験したうえで、細かな部分はアドバイスが丁寧な学習塾を頼りましょう。
※後述しますが、理塾を頼っていただけたら、フジイ模試の結果を独自分析して、どのような勉強をすべきかアドバイスしています。
なお、私立高校入試に似ているように作られている(というか全国平均的な)模試に『五ツ木模試』があります。

ですから、大阪府や奈良県の私立高校の専願受験者は、『五ツ木模試』を判断基準にするのがオススメです。
ただし、奈良県公立高校の入試は1種類しかないのに対して、私立高校の入試は学校の数だけあるため、ぴったしカンカンということは絶対にあり得ません。
『五ツ木模試』は、「私立高校の入試に近い模試」という点では間違いないものの、最終的な判断は、実際に受験を考えている私立高校の過去問を解いて、その合格最低点を上回っているかどうかで判断すべきです。
(5)次のような最悪のパターンは絶対に避けよう
学習塾では、『フジイ模試』や『五ツ木模試』を受験させているところがほとんどです。
ただ、一部の学習塾では「はい、これが受験票だよ。頑張って受験して来てね(以上)」という、適当な進路指導をしているケースもあるようです。
高校受験生とはいえ、中学生は学校知識もあまりないので、「適当な高校を志望校に挙げてしまう」とか「せっかくの志望校判定なのに、わからないので空欄で出してしまう」などもあり得ます。
理塾では、生徒ひとりひとりに個別対応で「君は、第一志望校はどうする?」「それなら、私立併願校は、ココにしようか?」など、「判定すべき高校をすべてリストアップ」して、それを持たせて模試を受験させています。
こんなことは、当たり前の当たり前だと思うのですが、それすらやっていない学習塾もあるようです。
自分に合った志望校を、丁寧にアドバイスしてくれる学習塾を頼ることを、強くオススメします。
また、模試の成績票が返却された場合にも、「おお、B判定だね、良かったね」「C判定だから、もっと頑張ろうね」という、受験の素人でも言えるような適当な対応しかしない学習塾もあったりします。
理塾では、模試の問題のすべてについてAIを活用して分析し、「どの問題を取るべきか」「そのためには、どんな教材を使って、どんな勉強を、いつまでに進めるか」を、全員に事細かにアドバイスします。
そのくらいしないと、模試で結果を出すことはできません。
※なお、理塾生はフジイ模試で満点を取るのは当たり前になっています(特集記事はコチラ)
さらに、こんなパターンはほとんど無いと信じたいですが、「奈良県公立高校が第一志望」なのに、「五ツ木模試しか受験していない」というケースを実際に見たことがあります。
しかも、学習塾に通っていたら、塾から「公立高校を受験するなら、五ツ木模試を受験しなさい」と言われたようです。
※五ツ木模試は奈良県公立高校の入試を念頭に置いていないため、例えば国語の作文は出題されませんから、良い考えとは言えません
前述している通り、『五ツ木模試』というのは全国平均的な模試であり、それを使って奈良県公立高校の実力を正確に測ることはできません。
逆も同じで、『フジイ模試』を使って、私立高校の入試の実力を正確に測ることもできません。
大切な受験生を預かっている以上、学習塾はいい加減な対応をしてはいけません。
理塾の塾長は、奈良県の全中学校の学力診断テストの平均点を把握しているくらい、あらゆる入試情報に詳しいですが、稀に「何も考えていない学習塾」というのもあります。
もし、通っている学習塾で、「公立高校を受験するのに、五ツ木模試を受験しろと案内された」というのであれば、いい加減な塾である可能性がかなり高いため、理塾のセカンドオピニオン(※次の項目で説明します)を活用してください。
(6)理塾なら特別なアドバイスが貰える
理塾では、「理塾模試」を実施しており、膨大な数の「独自の点数データ」を持っています。
これらを活用して、「A高校であれば、合格可能性がどのくらい」「どのような科目を、どのような教材を使って、どのように勉強をしたら、具体的にあと何点上がる」「この科目は一旦置いておく方がよい」など、非常にきめ細かな受験アドバイスをしています。
※AIも活用しているので、奈良県で一番の進路面談をしている自信があります
理塾生に対しては、納得のいくまで面談を繰り返し実施していますが、受験直前になると「模試判定がC判定で不安なのに、今通っている学習塾では具体的な学習方法を教えてくれない」「頑張ろうと言われるだけで、具体的に何をどう頑張ったらいいのかわからない」など、切羽詰まった他塾生の相談が毎年よく寄せられます。
そこで、(理塾はボランティアではないので有料にはなりますが)、直近に受けた模試データをお持ちいただければ、理塾生と同じレベルの丁寧で詳しい面談を実施して、進路上の不安を取り除いています。

\2000人以上を指導してきた大ベテランの理塾の塾長の面談なら、受験の悩みは解決します/
多くの方から、「これほど丁寧に、わかりやすく進路指導をしてくれるとは思わなかった」「理塾のアドバイスの通りにやれば、合格できそうだと感じられた」「ずっとモヤモヤしていたので、有料でもアドバイスが貰えて助かった」と満足いただいています。
「今は別の塾に通っているけど、理塾の進路上のアドバイスも聞きたい」という方は、理塾までご相談ください。
30分で5000円(税込)の相談料を頂戴しますが、「理塾に通ってください」などの勧誘はしません(そもそも理塾は満席です)ので、安心してご相談ください。
※毎年多数の相談を頂戴していますが、まず大事なのは理塾生(塾内生)ですので、外部生の相談は毎年先着5件までに制限させていただいています(申し訳ございませんがご了承ください)。